所蔵資料

民俗は韓民族の暮らしの内容と方式を含んでいる生活様式のすべてだといえます。人々の行為の中で暗示的あるいは明示的に表現される民俗は私たちの生活を主導し、またこれを通じて新しい世界へ接近するようにする道案内の役割もします。したがって、私たちは私たちを取り囲む世界により容易に接近することができ、また能動的に世界に対処したりもします。

国立民俗博物館はまさにこのような民俗を表現する空間であり集合体だといえます。より具体的に定義すれば、民俗博物館とは、ある特定の物理的空間内で韓国人と韓国社会、そして韓国文化を対象にして、これと関連した社会文化的内容を保存している文化空間だと規定できます。このような役割を遂行するための博物館の基本機能は、民俗資料の収集、展示、研究、社会教育といえます。その中で最も基本的なことは民俗資料の収集といえます。

民俗資料はその他考古学や美術史資料とは違って、先人の日常的な生活と密接に関連しており、周辺で容易に探すことができるだけでなく目になじみます。ところが、今日に至って民俗資料が生活様式の変化で激しい変貌を見せるだけでなく、消滅危機にまで至っています。したがって、博物館では急速に消滅していく民俗資料を確保するために、購入、寄贈、寄託などの色々な方法で民俗資料を収集しています。その結果、2017年10月現在131,140点の膨大な遺物を所蔵しています。

国立民俗博物館は大韓民国第1の民俗生活史博物館を標榜しています。そのような理由で所蔵品の大部分が生活と密接に関連したものです。江原道の山村民俗調査で収集したキムチを保管する木製の甕、嫁入りの時に着た美しいチマチョゴリ、移葬する際に出土した朝鮮時代の出土服飾、厳しい農作業に欠かせない農業器具、個人間の土地取引の記録である土地売買古文書など、日常生活と生業に密接な関係がある遺物です。博物館ではこのような所蔵品を、用途を基準に分類して管理しています。

The Collection of the National Folk Museum of Korea

所蔵品の図録

国立民俗博物館の所蔵品図録は韓国語版と英文図録
『 The Collection of the National Folk Museum of Korea』で発刊されています。

韓国人のライフスタイルに関する記録

国立民俗博物館の移転開館(1993年)後、14年間の資料収集活動の成果を集大成した所蔵品図録は、韓国人の生活をテーマに出生から死に至るまで生活の各段階を詳しく紹介しています。この資料は伝統文化の伝承に寄与すると同時に、所蔵品の芸術的、学問的価値を一層高めると期待しています。また、誰でも手軽に図録を楽しめるように各収蔵品の韓国語・英語の名称と発音番号も併記しました。

図録に見られる韓国人の暮らし

国立民俗博物館の所蔵品計8万5千点余りの中から国家指定文化財など代表的な資料638点を厳選して韓国人の生活を紹介しています。「暮らしを保存する」、「暮らしを耕す」、「暮らしを作る」、「暮らしを楽しむ」、「暮らしを終える」という五つのタイトルで衣食住、生業(農業と商業)、家族と教育、出世、信仰、風流と遊び、工芸、喪・祭礼などの生活文化と関連した色々な資料を紹介しています。また、国立民俗博物館の専門家が作成した簡単な説明、収集活動の写真なども添えて資料が持つ意味も説明されています。本図録は韓国に対する理解を深めたり、韓国文化を外国に紹介する際にも利用できます。国立民俗博物館の所蔵品図録は博物館内のミュージアムショップおよび大型書店で購入できます。

  • 書名 : 『国立民俗博物館所蔵品図録』
  • 規格:菊倍版/文庫版
  • 頁数 : 菊倍版(328頁)/文庫版(224頁)
  • お求め先 : 国立民俗博物館内のミュージアムショップ(82-2-739-9691)及び大型書店