“変身、神話から日常生活へと”

2009-12-28

虎の話は我々の生活の中でよく聞く話である。動物園でしか虎を見ることのできない今日と、虎に人が襲われることもあった大昔の間には虎に対する認識の差は大きいといえよう。その変化というのは、神話によく象徴的に表現される神聖性から漸く人間性を強調する方向へと変わっていったという変化である。虎は人々にとって猛々しい猛獣であり、かつ悪い鬼神を追い払ってくれる霊物でもあった。
今回の特別展の狙いは、我々の生活文化に宿っている虎に係わる象徴の変り様子を視覚的資料を通して見て、虎が抽象観念のみに留まるのではなく、我々民族の暮らしと密接に係わっていたことを明らかにすることにある。