2010.03.24 - 04.26
「負褓商」とは、生産者・中間販売者と消費者とを直接結ぶ行商人で、かさばる荷物を背負って売り歩く「負商」と、小さな商品を風呂敷に包んで売り歩く「褓商」とを合わせた呼称である。
五日ごとに開かれる市場から一般家庭の茶の間まで、人々の暮らしがあり商品の需要が生まれるところであれば、そこが彼らの活動舞台となった。
忠南民俗文化の年にあたりこの負褓商を御紹介するのは、この忠清南道が他のどの地域よりも負褓商の足取りをよく保存しているためである。忠清南道は古くから流通・市場が発達していたが、四方に伸びる道をたどって商品を速やかに売り歩いた負褓商こそはその原動力であった。
いま再び負褓商とともにその旅路をたどることにより、彼らの生涯や組織、発達した忠清南道の市場文化を理解していただければ幸いである。