『頭からつま先まで』被り物と履き物 特別展にあたり
韓国の服飾において被り物や履き物は
その美を完成させる役割を果たすものであり
伝統的に衣服に劣らない重要な位置を占めてきた。
それは時と場所、身分によって使い分けられ
権威と地位の象徴でもあった。
この展示では、朝鮮時代から近・現代への時代的変遷を経てきた
被り物・履き物の形の美しさを見つめるとともに
身近な種々の素材から生み出された作品を通じて
それぞれの独特な装飾美が感じられるように工夫した。
説話やことわざに現れる権力や威厳の象徴としての被り物の話や
遠路を旅した昔の人々と苦難をともにした履き物のエピソードも
アニメーションによって興味深く語られる。
最後に、工房で職人たちの腕前を確かめ
その工芸美の真髄に触れていただければ幸いである。