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タイトル 幸福の豚
会期 2018.12.19~19.03.01
会場 企画展示室Ⅱ

2019年 幸福の豚 poster


展示の概要
国立民俗博物館では、2019年、己亥年のイノシシ(豚)年を迎えるにあたり、神聖さと世俗とを兼ね備えた存在であるイノシシに再び価値を見出し、この度の<幸福の豚>特別展を行う運びとなりました。豚は十二支神のうち、12番目の動物であり、雑鬼を追いやる神将としても我々人間に近しい

存在です。 本展示の構成は、‘プロローグ’、‘1部. 守る_人間の守護神’、‘2部. 共に生きる_先人たちの相棒’、‘3部. 夢見る_現代の自画像’、‘エピローグ’となっております。

本展示を通して、あまり知られていなかった豚の象徴的な意味について、いろいろな物語を知る機会となれば幸いです。加えて、皆様にとって己亥年が幸多き一年となりますことをお祈りいたします


プロローグ
地球からほど近い5つの惑星、水星・火星・木星・金星・土星。これらを用いた占星術をもとにした五行思想が現れる。夜空の星座が人間の世界に影響を与えると考えた人間たちは、その知恵によって十二支思想を作り出す。この十二支のうち、一番最後であるイノシシは、五行でいうところの水を、また方角でいうと北西北、時間としては21~23時を表している。


1部 守る_人間の守護神
原始時代から恐れられる存在であったイノシシは、シャーマニズムの中で「悪の化身」から「心の守護神」へと生まれ変わった。『西遊記』に登場する擬人化された悪神である猪八戒は、三蔵法師と出会い仏教に帰依することで、宮廷の雑像として現れるほどの善良な守護神となる。仏教では、十二支神は菩薩の化身であり、特に豚(イノシシ)をモデルとした亥神ビガラ(毘羯羅)大将は、仏教薬師如来信仰と関連して,貧しくて衣服のない人に服を渡す善神である。


2部 共に生きる_先人たちの相棒
俗世に降り立った豚は、人間にとって大切な伴侶となり、家々で人間と生活を共にする。豚は、人々にとって神聖な財物として、村の共同体の結束を固めるための祭事に用いられ、祭事に使用する器である豕鼎(器の種類)の形のモデルにもなった。豚は、『三国志』の中の「扶余」の章に登場する猪加をはじめとして、ドットンシ("便所"を表すチェジュ島方言)など、私たちの生活のあらゆる場面で出くわす。三亥酒(サムヘジュ:ソウル地方の酒)などの酒と楽しむ蒸し豚の味わいは、人間に幸せをもたらすものである。


3部 夢見る_現代の自画像
ベイビーブーム世代である1959年の亥年生まれの人々は、2019年に還暦を迎える。彼らにとって現代は、60年前食べることさえ苦しかったその昔に夢見た未来であった。‘豚の貯金箱’を眺めながら"節約"と"貯蓄"で富豪になることを夢見て、また、"曾子の豚(『韓非子』にある子どもに嘘はついてはいけないという話)"のように、約束を守ることが大切であると信じて生きていた。三国統一を象徴する縁起の良い存在、とされた豚が持つ意味を胸に刻み、統一の明日を夢見る。


エピローグ
十二支の動物の運動会が開かれます。みな自身の干支を応援しています。今日の一番の見せ場であるマラソンでは、ネズミが1等でした。11番目の犬がゴールした後も、最後の走者である豚(イノシシ)の姿は見えません。汗腺がなく、暑くても汗をかくことのできない豚(イノシシ)は、ぬかるみでしばし寝転がっていたころ、突然降り出した雨のせいでずぶ濡れになってしまいました。どろだらけになった豚(イノシシ)が少しずつ見えてくると、みなが一斉に"豚(イノシシ)よ!頑張れ!"と応援します。ビリでゴールした豚(イノシシ)でしたが、1等よりも大きな歓声で迎えられました。完走を果たした豚(イノシシ)はもちろん、応援した者すべてが主人公です。


私たちはみな、世界でたった一つだけの存在であり、この世であなたは最も大切な存在なのです。


展示後記
豚は、古代人たちを守る守護神という存在から、先人たちと共に生きる仲間となり、そして今日、夢を抱く私たち現代人を写し出す存在とも言えるものとなりました。そのような幸福の象徴である豚は、いつの頃からか、自身の体調管理を怠り太った人を指す俗語へと変わってしまいました。外見を蔑むことに何も感じないほどに、この世は外見を重視する世の中になってしまったのではないかと、恐ろしく思います。いま一度、その自らのゆがんだ暗い影を振り返ってほしいものです。この度の“幸福の豚”特別展を通して、私たちが心身共に健康な、清く美しい人間になれるよう願っています。

掲載日 2019-01-17