| タイトル | Happy Birthday |
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| 会期 | 2025年05月27日~2025年9月14日 |
| 会場 | 国立民俗博物館第1展示室 |
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![]() 展示槪要「おめでとう」
この地では、2分ごとに新しい命が誕生します。 子どもと母の健康と幸福を願い、 人々は祈りを捧げます。 その緊張の果てに、この地のあちこちからあふれ出すこの言葉は、美しく響きます。 命は決して容易にこの世に生まれるものではありません。 人類は新しい命が無事に誕生するよう、さまざまな努力を重ねてきました。 医術を磨き、政策や制度を整え、多くの人々が真心を込めて祈る光景は限りなく美しい。 命が新しい命を見つめるその瞬間は、さほど崇高です。 本展は、皆が共に迎える 出産の瞬間を見つめます。 いつの時代も、子どもの誕生のためにどれほどの努力が注がれてきたのか、展示は静かに語りかけます。 出産を単なる数字として捉える風潮から一歩離れ、私たちは生命誕生という奇跡の瞬間をどのように受け止めてきたのか、その問いを見つめる展覧会にしました。 第1部 産室―いのちの空間この世には多くの空間があり、それぞれに役割があります。その中でも産室さんしつは、出産を控えた妊婦のために特別に整えられた空間です。
私たちは皆、この空間から生まれ、今ここにいます。母は出産の痛みに耐え、誰かはその痛みを和らげ、 何事も起こらぬよう祈り、また誰かは医の知恵を用いて母子の無事を願います。 こうして幾重もの想いが交錯する産室には、新しい命が宿ります。私たちが生まれた産室、ここはまさにいのちの空間です。 第2部 妊娠―計画と選択近代医学の導入は、出産のあり方に大きな変化をもたらしました。人々は超越的な存在よりも、現実的な存在に頼るようになり、出産は国家の重要な政策課題ともなりました。
こうして妊娠・出産・育児は、計画に基づく選択の対象となっていきます。その選択は、出産にまつわる風習にも大きな変化をもたらしました。 この変化により、古くからの形が薄れていく一方、力強く息づくものもあれば、新しい形が生まれることもあります。それでも、変わらないものがひとつあります。それはいったい何でしょうか。 第3部 誕生日―みんなのお祝い子どもが授かることを願い、無事な誕生を願い、健やかな成長を祈る気持ちは、誰にとっても変わりません。
出産を終えた母をねぎらい、元気な赤ちゃんを祝福し、母子を守ってくれた産神うぶがみに感謝を捧げます。良い意味を込めた料理をみんなで作り、心を合わせて贈り物を交わします。 このように、私たちはさまざまな形で子どもの誕生を喜びます。だからこそ、出産はみんなのお祝いなのです。 |
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| 掲載日 | 2025-12-04 |