慶尚南道は強靭な生き方の地です。

洛東江、南海、金海平野と智異山などの美しい自然に恵まれた慶尚南道は、先史時代から今日まで、様々な自然環境に頼って強靭な生き方を続けてきた人々の土地です。ナンミョン・チョシク(南冥 曺植)の実践的学風は、この地域の精神文化の根幹となりました。特に、不義に抵抗する粘り強い精神は文禄の役の時、義兵抗争を展開させ、19世紀の真珠農民運動、現代に至っては、民主化運動の導火線となりました。
慶尚南道は興趣溢れる土地であります。

慶尚南道全域に広がっている仮面劇団であるオグァンデ（五廣大)は、慶尚南道の人々が集まる場所ならどこでも走って行って、笑いと感動の涙をプレゼントしました。人々は不条理な社会に対する批判と抵抗精神を面白おかしく表現する彼らの歌や踊り、台詞に惹かれました。オグァンデが広がって行ったところは慶尚南道の人が集まる場所であり、そこから慶南の文化、物産、人々の交流と疎通は生まれました。

慶尚南道と国立民俗博物館が準備した「強靭な生き方と興趣溢れる土地、慶尚南道」特別展は、2013年度の「慶南の民俗文化の年」の事業の一環として、これまでの研究成果と、国立民俗博物館が2012年から実施した慶尚南道地域学術調査・研究の結果をもとにしています。今回の展示では、オグァンデが導く足跡に沿って、道内の随所を巡り、地域の山、海、川などの自然に触れ合い、そこのいくつかの物産と会い、その中に込められた精神も出会うことができます。こういう過程で、慶尚南道に隠された民俗文化を新たに発見し、旅行の案内者であるオグァンデを通して、彼らが話してくれる共生と共存のメッセージを聞くことを願います。